脳性麻痺のお子さんが大人になるにつれて(対策編)

前回の記事では脳性麻痺のお子様で成長と共に機能低下していくケースが少なくない事についてお話しました。

 

元々、脳の障害により脳細胞が障害している事が原因なので、完璧に機能低下を防ぐ事は難しいのかもしれませんが、なるべく痛みや苦しみを伴わないでQOL(生活の質)を維持していくために検討して頂きたいいくつかのポイントを挙げようと思います。

 

これを取り入れるのであればなるべく早ければ早い方が効果的です。

 

お子様が将来的に快適に過ごす為の検討事項

 

●正常運動から大きく逸脱する様な機能訓練は控える

 

機能訓練自体は悪いことだとは考えていませんが、長期的な視点の伴わない、目先の機能アップにばかり囚われた機能訓練を続けると、後々、大きな問題を残しかねません。

 

例えば、

なかなか首が座らず親が身体を支えていないと座れないお子様を例にとります。

親御さんの希望は勿論、

「早く首が座って欲しい!」

「早く座れる様になって欲しい!」

と、なります。

 

ただ、この言葉の裏には、世間一般的によく見る正常発達しているお子さんの座る姿をイメージした「早く出来る様になって欲しい!」だと思います。

 

「どんな形であっても出来ないよりは出来た方が色々と経験出来て、脳の発達にも良い!」

 

その様な意見をお持ちの方もいるかと思います。

 

ただ、そもそも人間の身体は正常運動をするのに最適な構造をしているので、極端に正常から逸脱した運動を日常的に行う事で、そう遠くない将来、必ずなんらかの身体的な問題を起こします。

 

そんな将来的なリスクを抱えた運動の学習を、急いでする必要があるのか甚だ疑問に思います。

 

股関節の亜脱臼で手術したり、下肢が固くなって筋肉を切る手術などを経験した脳性麻痺のお子様の話をよく耳にしますが、これこそ正常運動から逸脱した運動を繰り返した結果なのです。

 

では、どうすれば良いのでしょうか?

 

今すぐ出来る簡単かつ効果的な対策

 

親御さんに是非ともやって欲しい事は、お子様の日常の動作、歩く姿などを写メや動画で定期的に記録していく事を是非ともお勧め致します。

 

毎日見ているお子様の変化は意外と分かりにくいもの。

 

しかし日々の変化を動画に保存していく事で、お子様の成長の過程が分かり易くなり、もし機能訓練の経過が上手くいっていないと感じた時でも、記録動画を見せながらの方が担当セラピストに状態を的確に相談出来るかと思いますので是非ともお試し下さい。

 

勿論、当院にご来院される際、是非ともお持ちの動画を見せていただければ、より具体的かつ詳細にお子様の身体についてのお話が出来ると思いますので宜しくお願い致します。

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