脳性麻痺のお子さんの遊びについてよく質問を受けるのですが、これを“やれば!”的な鉄板ネタがあれば良いのですが、正直、そのお子さんに合わせてどうするのが良いかって考える事の方が多いのが現実。
ただ、それぞれ違う中でも、3つのポイントを抑えてお母様に指導するようにしています。
⑴環境面で姿勢が不安定にならないように工夫する
まず遊び方のアドバイスの中でも、私が良くお話しするのは安定性をいかに確保するか、これは良く話します。
脳性麻痺のお子さんで、動きや遊びを邪魔してる原因の大部分が“緊張の高さ”ですが、緊張と安定性は反比例するケースが多いです。
私達でも不安定なボートの上に立つと安定を保とうと身体が緊張しますよね?
あれと同じで脳性麻痺のお子様も本人にとって精神的に不安を感じたり、身体が不安定な環境だと当然の事ながら緊張が高くなります。
全てがそうとは言いませんが、反り返りや足の突っ張りが強い時、しっかり抱っこしてあげたり、安定した座位保持椅子に座らせたり、ポジショニングしたベッドに寝かせてあげれば、緊張は軽減するケース、多いくないですか?
またお子さんの身体の中でどこを支えてあげればリラックスし易いかも楽に遊ばせるポイントになると考えます。
多くの場合、首を反ったり、手足を緊張させて反り返ったりと、身体の中で相対的にみると、身体の先端部分に緊張が高く、お腹など身体の中心部分は比較的緊張が低いお子様が多いです。
これは本来、発達が進むにつれて身体の中心部分が安定して、四肢や頭部は自由になっていくのですが、脳性麻痺のお子様のは身体の先端部分を床に押し付ける事で姿勢を安定させようとする姿勢戦略を学習してしまってるので、なかなかその形から脱却出来なくなり、継続しているのです。
⑵身体の中でも不安定なところを特に介助したり物質的に安定させる
私が良くアドバイスするのは遊ぶ時など、体幹を安定するような工夫をお話しする事が多いです。
例えば、お母さんが膝の上に座らせ、不安定なお腹に手を当てて、手とお母さんの身体でサンドイッチさせてお子様の体幹をサポートした中で遊ばせるなどは良くやって貰います。
体幹が安定すると自然と手足が緩み、遊びやすくなる事が少なくないです。
その際、反り返ったり足を突っ張る傾向のお子さんに対しては、床に足をつけさせないで座らせる事が多いです。
(3)それでも反り返りが強い時は、バランスボールなどで一旦、反り返った姿勢から身体の固いところを緩めてあげるなどの事前準備をしてから遊ばせる
どうしても反り返るお子さんに関しては、バランスボールの上に仰向けで寝かせて軽くバウンドさせたり揺らしたりして、身体をリラックスさせつつ、上半身や上肢を開く方向に緩めてから、座位の遊びをして貰うなどが多いです。
具体的には、バランスボールやハンモッグ、抱っこなどで全身の緊張を緩めつつ、例えば胸をしっかり拡げたり、上肢を動かして肩を動きやすくしたりといった、固いところや動きにくいところを緩めてあげる。
当院では上記の3点をベースにして、それぞれのお子様にあった遊び方を提案する様にしています。