脳性麻痺と言っても脳の損傷する場所によって当然のことながら現れる症状も異なり、その症状的な観点からの分類として大きくは、痙直型、アテトーゼ型、失調型、それ以外にも少数ながら固縮型や、前述のタイプが混合した混合型なども定義付けられています。
それ以外にも、単麻痺、片麻痺、両麻痺、四肢麻痺、対麻痺などといった麻痺の範囲などを基準とした分類もあります。
脳の損傷部位による分類
痙直型
主に大脳の随意運動をコントロールする神経経路である錐体路が障害される事で起こり、おそらく脳性麻痺のお子様の中で一番多いのが「痙直型」です。
正常発達のお子様に比べて筋緊張が異常に高かったり低かったりといった筋緊張の問題がメインとなります。
アテトーゼ型
身体の随意運動や姿勢を調節する大脳基底核に問題が起こる事で、自分の意思に反して身体が動く不随意運動が主症状
失調型
細やかな筋出力の調整、平衡機能の調整する小脳の問題により、滑らかな運動や平衡機能の調整が難しくて揺れるたり不安定になったりする。
またそれ以外にも運動麻痺の範囲による分類もあります。
運動麻痺の範囲による分類
また、麻痺の場所や程度によって、四肢のうちどこか1ヶ所の麻痺が単麻痺、左右半身の麻痺であれば片麻痺、左右両側の上下肢ともに麻痺があるのであれば四肢麻痺、四肢麻痺と同様に左右上下肢に問題があるものの上肢に比べて下肢の問題の方が重篤であれば両麻痺、下肢のみの麻痺であれば対麻痺といったように分類されます。
これらの分類は、医療関係者が第三者に状態を伝える上で、なるべく分かり易い様、便宜的に分けた分類ですので、医療機関で「お子さんは痙直型両麻痺です!」と言われたとしても、「ふーん、そうなんだ」と頭の片隅に置いとく程度の話。
実際はお子様一人一人、個体差があって、環境も含めてそれぞれ抱える問題も異なり、必要とするサポート内容も当然変わってきます。
巷では、”○○型はどうすべき…“みたいなタイプ別のレシピ的な考え方もありますが、その様なお子様を一括りにする様な考え方に必要以上に囚われる必要は無いかとは個人的には思います。
むしろ、
”個人の環境や年齢・性別などの個体差“ “どの様な難しさや悩みを抱えているのか?” “本人や親御さんがどんなことを望み、何を求めているのか?”
これらを基に考えた方が、すべき事、必要なサービスやサポート、方向性などがみえてくるのではないかと思います。