脳性麻痺の理学療法の種類② ボイタ法について

正直、ボイタ法に関して専門的に学んだ経験が無いのですが、私の臨床経験の中で知り得たボイタ法の情報、ボイタを受けてきた方の身体を診ての印象などいったあくまで私見レベルでお話ししたいと思います。

 

あくまで私見ですので…

 

今まで沢山の脳性麻痺のお子様を見てきましたが、正直、ずっとボバースをずっと受けてきたお子さんとボイタをずっと受けてきたお子さんの身体は全然違います。

 

ボイタを受けてきたお子さんの印象は、機能的にはそんなに高くはないのですが、身体の変形・拘縮、脱臼などの構造的な問題はとても少ないケースが多かったです。

 

これはボイタ自体が構造中心の治療であることと、ボイタは基本、無理な機能訓練はしないと伺ってますのでそれの影響が一番大きい様に思います。

  • 1日3回、4回と親が家庭訓練をしないといけない
  • 嫌がって泣くのを押さえつけながらやる
  • 立たせたら怒られる

などなど、ボバースの職場にいるとボイタに対するネガティブな情報が多かったのですが、実際、身体を触ると変形や異常な筋緊張が少ないし、開業してからご来院頂いたボイタをされている方々にお話を伺うと、家での訓練はやれる範囲で無理なくマイペースでされており、お母様方から別に悲壮感とか感じないってのが率直な印象。

 

日本においてボバースと並ぶ小児のリハビリの一派ですから、当然の事ながらデメリットばかりではないですよね。

 

当院に来院されている方で、40才前の脳性麻痺の方なのですが、子供の頃からずっとボイタをされてきたとの事でしたので、実際どんなものなのかお聞きしてみました。

 

これは、小さいお子さんに「どんな感じ??」って聞いてもなかなか分からないので、その方の体験談は私の中でかなり貴重でした。

 

(あくまでこれはインタビューした方の個人的な感想であって、ボイタをされている方全員に当てはまるものではありません)

 

Q.ボイタって実際に受けてみて、痛いんですか?

A.痛いというよりは、やられてると筋肉が働くのでちょっとしんどいです。

 

Q.効果ってどれくらい持続するものなんですか?

A.僕の場合は、やって貰って1日ちょっとは体がとても楽になりますが、1日経つとも元に戻りますね…

 

Q.ボイタでは歩行訓練とかの機能訓練は積極的にしないって聞いてますが本当にしなかったんですか?

A.私はやらなかったですね。自然と歩ける様になりましたから…。

 

Q.訓練でやる内容っていつも同じなんですか?

A.僕の場合は大体一緒ですね。

 

Q.いつまで家庭での訓練はされてました?

A.僕は中学・高校くらいまでは母親がやってくれてました。
ただ私の体が大きくなってきて、母親がやるのも難しくなり、だんだんしなくなりましたね。
今は月に1回、子供の時から通っている病院でPTを受けてます。

 

Q.OTでもボイタをするんです?

A.ボイタはPTだけですね。OTでは手を使った作業とか、特に特別なことはやらなかったです。

 

インタビュにご協力いただいた方は、クラッチは使用しているものの現在も電車に乗って毎日通勤されており、小児脳性麻痺児の施術を行うものとしてはとても参考になるお話が聞くことが出来ました。

 

最後に私の個人的な意見としては、周りの評価や噂、そして他人がどう言おうとも、もし何か気になっている事があればまずはやってみることが大事ではないかと思います。

 

色々なやり方は、個々人によって合う合わないがあるからこそ統一的なやり方になっていないので、大事なのはやってみて自分がどう思うのか?自分に合うのか?だと思います。

 

その観点から言っても、ぜひ多くの方にオステオパシーを一度体験して欲しいと切に願います。

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